マンモグラフィーなどによる早期発見が可能になり乳がん治療法は劇的に進歩していますが、 これからも乳がんにかかる女性は増え続け2015年には5万人に達するだろうと言われています。
増加傾向の原因としては、欧米スタイル化がすすんだことにより、高たんぱく質を摂取する食生活が増えたこと、 喫煙女性が増えたことなど原因は単一ではありません。
人種によっては乳がんリスクが高いグループが存在し、アジア系に比べて、ヨーロッパ系とアフリカ系は乳がんにかかるリスクが高いと言われています。 アメリカでは女性の8人にひとりが乳がんにかかります。 日本ではその割合はかなり低く20人にひとりが乳がんにかかると言われます。
これは乳がんにかかった数字であって乳がんで亡くなってしまう数字ではありません。 国内では乳がんで亡くなる人数より乳がんにかかる人はその3倍以上以上おり、生存率が高いことが伺えます。 日本では乳がんは30歳代から増加し始め50歳前後にピークを迎え、その後しだいに減少傾向にあります。
では乳がんの原因とは何なのでしょうか?
乳がんに限らず正常な細胞がなんらかの原因で傷つき癌化することを考えれば、乳がんの場合、 乳腺組織の遺伝子が傷つけられることがその原因ということになります。
乳がんの原因つまり乳がんの発生・増殖には体内で作られるエストロゲンというホルモンが大きく影響していることが分かっています。
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・初潮が早い
・出産・妊娠未経験者
・授乳未経験者
・閉経が遅い(閉経年齢が55歳以上)
・初産年齢の高齢化(初産が30歳以上)
これらのことがエストロゲンと関係しているため必然的に危険因子となります。
しかしこれは危険因子であり、絶対的なものではありません。
癌による絶対の予防法はありません。一番大切なことは早期発見です。
ではエストロゲンとは何なのでしょうか?
エストロゲンとは女性ホルモのことで、女性ホルモンには2種類あり、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、 プロゲステロン(黄体ホルモン)があります。
このうちエストロゲンは、子宮内膜と全身の細胞に作用し、女性の第二次性徴を促進させる重要な働きをしています。
しかし、それと同時に乳がんの増殖や転移に関係していることも事実です。 女性の身体は10代~20代をピークにエストロゲンがさかんに分泌され始めます。
それは女性らしい身体をつくりはじめる準備が始まり、妊娠に適した状態に身体をたもてるようにするためです。 この時期からエストロゲンの分泌がさかんになるということは乳がんになる確率も高くなることを意味しています。
先ほどの危険因子の例はこのエストロゲンにさらされる期間が長ければ長い程乳がんリスクを高めるためです。 初潮が早いということは遅い人よりエストロゲンに長期さらされるわけです。 逆に閉経が遅いということも同じです。
出産・妊娠すると月経はなくなりその間はエストロゲンにさらされることがありません。
エストロゲン濃度が最も高くなる10代~20代に出産・妊娠を経験するということはそれだけエストロゲンに影響されないということになります。 高齢になってからの出産・妊娠は乳腺組織を急激に発達させてしまい、逆に乳がんのリスクを高めてしまいます。
このエストロゲンとの関連で、ピル(経口避妊薬)やホルモン補充療法を受けている人も乳がんにかかるリスクが高くなります。 このピルにはエストロゲンが含まれています。そして更年期障害や骨粗鬆症の治療にもホルモン補充としてしばしばエストロゲンが使用されるためです。
片側が乳がんになったことがある人は再び乳がんにかかりやすいと言われています。
ここでいう乳がんとは再発ではない乳がんのことです。
また、良性乳腺疾患(悪性ではないが腫瘍がある場合)である乳腺症でも乳がんとの関連があると言われています。
・高脂肪摂取
これは脂肪組織にはエストロゲンを合成する酵素があり、脂肪が多い程それだけ乳がんになりやすいと考えられるためですが、 はっきりとした乳がんとの関係は立証されていません。
しかし、体型として肥満体型(標準体重のプラス20%以上)の女性の方が乳がんになる人が多いという 統計があるという意味ではこの原因も見過ごすことができないでしょう。
・遺伝的な要素(つまり乳がんにかかりやすい体質ということ)
よく乳がん家系などという言い方をしますが、一親等に乳がんにかかった人が多い程そのリスクは高くなると言えるでしょう。
この遺伝的要素は昔はそれ程関心をもたれていませんでしたが、 最近の研究により遺伝子の異常を引き継ぐだろうと考えられる遺伝子を持つ人は、乳がんを発症する確率がその遺伝子を持たない人より50%以上に達すると言われ、 現在その遺伝子研究は世界的に進んでいます。
・喫煙
タバコには化学物質が4000種類以上含まれ、変異原性遺伝子変異(細胞が突然変化してしまう状態をつくりだす可能性のあるもの)の原因となる有害な物質が含まれています。
このように喫煙は乳がんにかかわらず、肺がんや胃がんなど多くの癌や病気をを発症させてしまう害のあるものだと言えます。
・飲酒
適度な飲酒は身体の血行を促進させると言えますが、過度な飲酒、ここでの過度は明確にはっきりとは言えませんが、 一日コップ2杯以上のアルコールと考えます。しかし、アルコールの種類などにもよるので自分のアルコール摂取量は意外と 自分の身近にいる人に聞いてみた方がよいと言えます。
・外来性エストロゲンの影響
車の排気ガス・殺虫剤に含まれる物質の中には体内に入るとエストロゲンと同様の影響を及ぼすと考えられものがあり、 これを体内で分泌されるエストロゲンと別に外来性エストロゲンまたは環境ホルモンとも言います。
・ストレス
この原因ははっきりとした因果関係は立証されていませんが、乳がん患者の多くが過度のストレスを日頃感じていたという報告結果があります。
逆に適度な運動は癌の抑制につながることがわかっており、ストレスを発散できる状態を維持することが有効だろうと言われています。
このように乳がんの原因は単一ではありません。
細胞で構成されている私たちの身体はいつなんどき癌という病気にさらされても不思議ではありません。 自分の身体を管理し、定期的な癌検診により癌を迅速に治療することが最善策です。
また、エストロゲンが作られる卵巣がない男性は乳がんにかかる確率は非常に少ないですが、 男性も退化した乳腺を持っているのでごく稀に乳がんにかかります。
男性が乳がんにかかる確率は女性が乳がんにかかる確率の約100分の1程度です。 しかし、男性が乳がんにかかった場合はその予後は女性の予後よりも悪く、死亡率が高くなります。
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・乳がんの症状




